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Apple社Vision Proがもたらす新たな世界

先日Appleから「Vision Pro」という新製品が発表されました。来年の発売になりますが、50万円弱という高額な価格設定も話題になっています。Meta QuestシリーズなどのVRゴーグルとは何が違うのでしょうか。まずは概念を整理しましょう。

VR

Virtual Reality ― 仮想現実: 専用のVRゴーグルを装着することで、視覚や聴覚を通じてCGなどで創られた仮想の世界を、あたかも現実の世界のように体験できる技術です。VRといえば、ゲームなどのイメージが強いですが、最近は教育や医療、ビジネスの世界でも広く活用されています。教育現場や趣味・スポーツ教室などで、実際に教師が教室に足を運ばなくても、自宅やサテライト教室で、目の前に教師がいるような感覚でレクチャーを受けることができます。遠隔地医療でVRを活用して、医師と患者がお互いに目の前にいるような感覚で診察や治療を行うなど。

AR

Augmented Reality ― 拡張現実: スマートフォンやタブレットなどを使って、カメラ越しに見る現実世界にCGやテキストなどの仮想世界のコンテンツを重ね、拡張された現実世界を体験できる技術。代表的な例が大流行したスマホアプリは「ポケモンGO」。リアルな現実世界の画像にバーチャルの画像を重ね、現実とバーチャルの垣根をなくす感覚を与える技術です。例えば経験値が必要な複雑な機械の操作方法が、誰でもその場で確認できるなど。

MR

Mixed Reality ― 混合現実と呼ばれています: MRは、ARをさらに進化させて、リアルな現実とバーチャルそれぞれの位置情報を算出することで、ARでは出来なかった、キャラクターに近づいたり、キャラクターの後ろに回り込めるようになり、よりリアルに近い感覚を可能にします。または複数人で立体的な設計図を確認しながら議論するなど。

SR

Substitutional Reality ― 代替現実とは: VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の先にあるものですが、実験段階なので明確な事例がありませんが、簡単に言うと「マトリックス」や「インセプション」などの映画のような、錯覚するほどリアルな別の現実にいるような感覚、現実か非現実か判別がつかないレベルのもの。

まとめ

以上のように「~現実」の概念・技術には複数のカテゴリーがあります。では、Vision Proはどこのカテゴリーになるのか、それはどれにも当てはまらないというのが正解のような気がします。Apple社は、技術はありながらも頑なにVRゴーグルを発表しませんでした。それは現状のネットワークインフラやコンピュータ環境ではApple社が目指すVRを具現できないと判断したからではないでしょうか。Vision Proは現実世界をあえてゴーグル越しに見ながら、あたかもそこに自然にあるようなコンピューティング環境を実現する「空間コンピュータ」なのです。ではARなのか?というと、その枠に納まらない全く新しいデバイスとなり、iPhoneが発表された時のような、その後のデファクトスタンダードになる可能性を秘めたデバイスです。将来的にはもっと薄型・小型に改良され、オフィスでノートパソコンを開く必要もなくなり、いつでも、どこにいてもメガネのように装着すれば目の前に必要な物が全て揃っている空間が出現します。そして、そのような未来はそう遠くはありません。

ヒロシ・イトー (富沢印刷株式会社 映像部 部長)

ヒロシ・イトー (富沢印刷株式会社 映像部 部長)

30年以上にわたりApple社とその開発製品をウォッチしてきたキャリヤを活かし、最新の映像技術を多角的に解説します。また、YouTubeシルバー(上級者)のプロデュース実績があり、Webとセミナー動画のメディアミックス戦略もご提案します。

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